私は、7年前、育児ストレスからノイローゼになりました。
イライラが爆発したとか、限界に達したとかそんなレベルの話ではありません。
完全に壊れました。
娘が2歳の頃の話です。
朝、目が覚めれば、「また一日が始まってしまう」という絶望感。
もちろん起き上がることさえできず、布団の中でずっと泣いていました。
頭の中には、常に、「出口が見えない真っ暗なトンネルの中でもがいている自分」がいました。
そして、不安定な気持ちは、涙となって表れるだけではありません。
不安とイライラは常に背中合わせ。
結果、自分の命よりも大切な、心から愛する娘を苦しめることになってしまったんです。
今回は、そんな堕ちるところまで堕ちた私が、「母親として一番苦しい時期をどう乗り越えたか」をほんの少しお話させていただきます。
恥も何もかも捨てた私のリアル体験談になりますので、今、まさに育児ストレスが限界に達し爆発寸前で苦しんでおられる方の脱出の一助となりましたら幸いです。
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育児ストレスが限界に達しノイローゼ
育児ストレスが限界に達し、ノイローゼになってしまった原因、それは、私の元々の性格と娘との闘病生活にありました。
育児ノイローゼになってしまった原因
- 初めての育児でものすごく肩に力が入ってしまっていた
- 娘がものすごく少食で、ごはんをほとんど食べない子だった
- 娘が早く手術を受けるためには、体重を増やす必要があった
- 私のもともとの性格が豆腐メンタル&完璧主義だった
簡潔にまとめるとこう。
娘に持病があり、手術目標体重に1日も早く到達させ、手術を受けさせてあげたかったのに、娘があまりに少食過ぎた。
そしてその心はこれ。
娘のことが心配で心配でたまらなかった。
本来だったら、2歳の子どもがごはんを食べないくらいで、気がおかしくなるまで悩むことはなかなかないと思います。
でも、当時、娘の体重を増やすことに必死だった私にとって、娘がご飯を食べてくれないことは、もう胸を引き裂かれるくらいのストレスだったんです。
食べない娘と願っても願っても全く増えない娘の体重。
「終わりが見えない闘病生活」と「娘がご飯を食べないこと」の相乗効果で、最悪の状況に陥ってしまったわけです。

でも、大元のストレスが何かは、そこまで重要じゃなくて、要は、そんな苦しい状況をどう乗り切ったかが、当記事のテーマになりますので、このまま読み進めてくださるとうれしいです。
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感情のコントロールができなくなってしまった
壊れた私は、完全に感情のコントロール不能状態に陥りました。
食事の時間は、朝、昼、夕の1日3回。
私は、食べない娘に、食べることを強要しました。
娘は、本当におだやかな性格で、ほっといても1人で1日中遊んでくれるようなおとなしい子どもでした。
食べなさいと言われれば、素直に、食べようと必死になります。
でも、食べれないんです。
当時サチレーションも相当低い状態にありました。
だから、食べたくても食べられないという状況も十分に考えられました。
でも、当時の私は頭では分かっていても、無理やりにでも、泣いてでも、食べさせて体重を増やすことが、娘のためなんだと思うことしかできなかったんです。
それでも、2歳の娘は「食べたくない」とか「イヤだ」と、反抗することはありませんでした。
そんな娘に、私の強要はエスカレート。
「ごはんを食べ終わるまで、席を立たないこと」を娘に命じるようになりました。
娘は、私のことが大好きでした。
私の言うことが全てでした。
命じられた娘は、ご飯を食べ終わるまで、本当に全く動きませんでした。
1時間が経過しても、2時間が経過しても、3時間が経過しても、4時間が経過しても。
たった、2歳ちょっとの子どもがです。
そして、前のごはん時間を引きずったまま、次のごはん時間がやってくるわけです。
もちろん、この時の私に、「融通を効かせる」なんていう優しさはありません。
鬼です。鬼の形相で、食べられないことを責めたてました。
もう一度言いますが、たった2歳のこどもにです。
その間、私は、布団の中で1人で泣いていました。
娘への罪悪感で苦しくて苦しくて、でもどうすることもできなくて。
あと、「子どもは本当にお腹が空けば、絶対食べる。無理やり食べさせようとするから食べないんだ」って言う人いますよね。
私、この考え方が、大っ嫌いで、こんなことを言う人は、おそらくわが子が生まれながらによく食べる子で、本当に少食の子を持った親の気持ちが分からない(思いやれない)バカヤロウだと批判的だったんですけど、追い詰められた私は、試してみたんですよ。
食べない娘に、無理やりご飯を食べさせるのではなく、出して食べなければさっさと食事の時間を終わらせることにしたんです。
そしたら、どうなったと思いますか?
娘は、1食どころか2食、3食食べなくてもご飯を食べることはなかったんです。
結果、娘はフラフラになりました。
心配から私のイライラはさらに募りました。
もうどうしていいか分からず、限界を迎えた私は、食事を作ることをやめました。
それは、私の中にある「一生懸命」を捨てれば、娘が食べなくても、少しはそのイライラが抑えられるのではないかと思ったからです。
毎日、毎日、スーパーのお惣菜を買い続けました。
またある時は、ハーゲンダッツのような高級アイスクリームには栄養成分が豊富だと知り、必要以上に甘いものを食べさせたこともありました。
病院の体重測定の前は、もう血眼です。
体重が増えて欲しい一心で無理やりおにぎりを食べさせたり、ジュースを飲ませたり。
結果、尿検査で糖。
尿検査の前に甘いものをしこたま食べさせたのだから当然です。
もちろん医師に怒られました。
私は、もう正常な判断ができなくなってしまっていたんです。
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壊れた私が取った最終手段
そして、そんな毎日が続いたある日、
八方塞りの精神状態と娘に対する罪悪感が限界に達した私は、自分でも考えられない行動に出ました。
すっぴんパジャマで、泣きながら娘の手を引き、近くにあった行ったこともない子育て支援センター(児童相談所)なるところに飛び込んだんです。
当時、娘は、在宅酸素中で、娘の顔にはカニューラ、私の背中には酸素リュックという出で立ちだったので、鼻と目を真っ赤にして飛び込んで来た私と娘は、相当異様だったと思います。
娘は、私とのお出かけにウキウキしていました。
事務所にいた皆さんは、アポなしでやってきた親子が「普通でないこと」をすぐに察していました。
そして、すぐに、私の母くらいの年齢の女性の方が、私と娘のところに来てくださったのです。
溢れる涙、整理できない感情
私は、目の前に女性の方が来てくださっても、感情が溢れ、涙で、言葉を発することができませんでした。
もう苦しくて、苦しくて。
そして、なんとか発した言葉がこれです。
誰か、娘にごはんを食べさせてくれる人はいませんか?
驚きますよね。
初対面の人に、最初に発した言葉がこれですよ。
「こんにちは」でもなく、「相談させていただきたいことがある」でもなく、すっぴんパジャマで泣きながら、「誰か、娘にごはんを食べさせてくれる人はいませんか?」です。
当時の私の娘に対するごはんの強要は、もう虐待の域に達していました。
娘を叩こうと思ったり叩いたことは一度もありません。
このままでは、娘の心まで壊れてしまうと、怖くなったんです。
娘に、ごはんを3食食べさせてくれる制度か何かあれば、利用したいと思ったんです。
そうすれば、娘が救われると。
まさかの提案、まさかの事態
職員の方は、ゆっくりじっくり私の話を聞いてくださいました。
そして、最後にその方は、私にまさかの提案をされたのです。
お母さん、明日から毎日お弁当作ってここに来て!
そして、それには条件がありました。
娘が、絶対に完食できる量のお弁当であること
あと、当時、感染症防止で同年代の子ども達がいるコミュニティーなどというのは、絶対に足を踏み入れない場所だったので、施設の方はそのことも理解してくださり、本当は一般開園していない、一般の方が誰もこない時間帯に来るように言ってくださったのです。
優しさに涙
さっそく、その次の日から、私と娘のお弁当通園は始まりました。
私は、言われた通りに、それはそれは小さな小さなお弁当を作りました。
確か、中身は、ぶどう2個、アボガドちょびっと、親指の先サイズのおにぎり1個、だったと思います。
普通の子どもだったらおそらく2口で食べ終わる量です。
これが娘が絶対に食べられる量でした。
私が指定された時間に施設に着くと、和室に通されました。
てっきり、相談に乗ってくださった方と私の娘の3人でごはんを食べるのかと思いきや、そこには5~6名の職員の方がいらっしゃり、笑顔で迎えてくださったんです。
娘は、温かい眼差しのみなさんに、たくさん話しかけてもらえてすごくうれしそうに恥ずかしそうにしていました。
そして、みんなで「いただきます」をして食事スタート。
私は、作ってきた小さな小さなお弁当をテーブルの上に置きました。
そうです、娘が絶対に完食できる量のお弁当です。
娘は、すぐに完食できました。
当たり前です。
なのに、どうなったと思います?
和室で一緒にご飯を食べてくださった5~6名のみなさんが、満面の笑顔で、
うわ~!!!!
〇〇ちゃん、スゴーイ!!!
全部食べられたねっっっ!!!
と娘をベタ褒めしてくださったのです。
娘は、誇らしげで、とてもうれしそうでした。
そうです。
おそらく、職員の方は、娘に、食事の時間は楽しいものだということ、完食できた喜び、自信を感じさせてあげようとしてくださったのです。
私は、みなさんの優しさに触れ、胸がいっぱいになりました。
もちろん、分かっていましたよ。
食事は楽しい時間であるべきなことぐらい。
でも、私1人では、もうどうすることもできないところまできていたので、それを打破する本当に良い機会を与えてくださったこと、今となっても感謝の気持ちでいっぱいです。
もちろん、この与えてくださった機会で、当時の娘の食に関するストレスを全て解消できたわけではありません。
やっぱり、そんなに甘くないです。
でも、何て言ったらいいのかなぁ。
当時のグッツグツに煮詰まってしまった私の心に、爽やかな風がほんの少しだけど通ったんです。
みなさんのやさしさが、私の心の沁みたんです。
この経験は、今でも、私の心に、とても意味のあるエッセンスとして根付いています。
育児ストレスが限界で爆発寸前の方へ
「育児ストレスが限界に達した時の対処法」と聞くと、みなさんは何を思い浮かべられますか?
まぁ、よく言われているのがこれらですよね。
- 1人の時間を作る(おでかけ)
- ノートに辛いことを書き出してみる
- 大泣きしてみる
- 深呼吸してみる
- トイレで1人になってみる
- おいしいものを食べる
で、私、いつも思うんですけど、本当に育児ノイローゼで苦しんでいる人は、こんなことくらいで解消できません。
それどころか、育児ストレスが限界超えて爆発して、ノイローゼの域まで達してる人が、こんなアドバイスを聞いたら、もうね最悪です。
だって、もし育児ノイローゼ真っ只中の当時の私がそんなアドバイスを目にしたら、間違いなく、「この人達、なにも分かってない」と怒りさえ覚えたと思うからです。
ハッキリ言って、そんなことで解消できるほど育児ノイローゼは甘くない。
じゃあ、どうすればいいか?
私が考える育児ストレス対処法はこれです。
育児ストレスは長い人生において、超期間限定のストレスであることを意識する。
これは、特に第一子を子育て中の方に伝えたいのですが、
大変なのはそんなに長く続きません。
必ず、時間が解決してくれます。
これを意識できているのとできてないのとでは大違い。
心の余裕が全く違ってきます。
専業主婦である場合、今や、幼稚園も3年保育どころか4年保育が主流になりつつあります。
子どもとがっつり一緒にいる期間なんて、実は、本当に短い!!!
私も、後から気付きました。
怒り狂っていた時間が、とてもかけがえのない時間だったということに。
しかも、子どもが幼稚園に入ったら超ヒマすること間違いなし。(専業主婦の場合)
おそらく、今度は、燃え尽き症候群に注意した方がいいくらいになるんです、これが。
忙しい専業主婦のみなさま、すみません。
あと、もう一つが、
人に助けを求めること。
やっぱり、人を癒せるのは「人」です。
本当に苦しくて苦しくて、自分だけでなく、その影響が私のように子どもにまで行ってしまっている場合は、
人に助けを求めてください。
助けて欲しい!私はもう無理だ!と信頼できる人に伝えてください。
グッツグツに煮詰まった心は、自分ではもうどうすることもできません。
相談相手がいなければ、心療内科や精神科でもイイと思います。
っていうか、相談相手がいても、個人的には、病院、おすすめざーまーすー。
信頼できる先生に出会えると、その後の人生を生きて行くのも楽になりますよ。※根っからのメンタル豆腐さんの場合
病院は、合う合わないがあるので見極めが難しいけど、違和感を感じたらやめればいいんです。
薬を処方されるのが嫌だったら、それを医師に伝えて、心がラクになる方法を教えてもらえばいいんです。

最後に
当時2歳だった娘は、早いもので、9歳(小学4年生)になりました。
今、隣で、「柿ピー食べようかなぁ~♪」って言ってます。
そして、現在、息子が、2歳4ヶ月です。なんて感慨深い。
2歳の息子は、当時の娘の時では考えられないほどよく食べます。
よく食べるというレベルではなくて、恐ろしいくらい食べます。
でもですね、でもですよ!
ここが肝心なんですけど、うちの息子、食べても食べても太らないんですよ!!!
何が言いたいかと言うと、
当時、どんなに娘がご飯をよく食べたとしても、太る保証はどこにもなかった
ということです。
娘には、ただただ申し訳ないことをしました。
かわいそうなことをしました。
2歳前後の子どもにとって、母親は神様です。
そのくらい子どもに愛されているんです。
娘よ、本当にごめんね。
\小学4年生 娘 現在/
3度の手術と長い長い在宅酸素生活を無事に乗り越え、1人で電車に乗って、おばあちゃんの家に遊びに行けるくらい元気になりました。
長くなりましたが、私の経験談が、
- 育児ストレスが限界を迎え、今、まさに頭の血管が爆発寸前の方
- 心身が崩壊し、立ち上がれず、布団やベッドの中で、うずくまっておられる方
- 湧き上がるコントロールできない負の感情に泣きながらもがき苦しんでおられる方
の脱出の一助となりましたら幸いです。
グッドラック!